離婚が得意な弁護士の費用相場と弁護士費用を安く抑える手順

離婚問題の解決を弁護士に相談や依頼をしようと考えている方も多くいらっしゃると思いますが、その際の弁護士費用がわからない、相場を知りたいという場合も多いと思います。

以前まで弁護士費用は規定によって一律と決まっていたのですが、それが改正されてから、弁護士費用は各弁護士事務所が自由に決めて良いことになり、現在弁護士に依頼した際の弁護士費用(離婚調停時)の全国平均は60.7万円というデータがあります。

ただ、離婚する場合は財産分与や慰謝料、養育費の請求や、親権争いの有無によっても追加で着手金や報酬金が発生する可能性が高いため、その点も十分注意して弁護士を選んでいく必要があります。

そこで今回は、離婚問題を弁護士に相談、依頼した場合の弁護士費用の相場と、弁護士費用をできるだけ安く低料金で抑えるための方法などをご紹介していきます。

 

離婚に注力する弁護士の費用相場

離婚問題が得意な弁護士事務所に、離婚調停の依頼をした際の弁護士費用は、平均で60.7万円です。最も高額となったのは東京都の弁護士事務所で、最安値は北海道という結果が出ています。

弁護士費用の構成は主に「相談料」「着手金」「報酬金」で構成され、3つの合計が一般的に弁護士費用と呼ばれています。

弁護士費用の旧報酬規定

2004年(平成16年)4月1日から、弁護士法改正によって、「弁護士報酬標準規定」が廃止となり、弁護士は自由に報酬を定められるようになりました。ただ、完全に自由に決めて良いというわけではなく、日弁連が定める「弁護士の報酬に関する規程」に従うという条件があります。

弁護士の報酬に関する規程(要旨)

・報酬基準の作成・備え置き
弁護士は弁護士の報酬に関する基準を作成し、事務所に備え置かなければならない。規定する基準には報酬の種類、金額、算定方法、支払時期及びその他弁護士の報酬を算定するために必要な事項を明示しなければならない。

・報酬見積書
弁護士は、法律事務を依頼しようとする者から申し出があった時は、その法律事務の内容に応じた報酬見積書の作成及び交付に努める。

・報酬の説明
弁護士は法律事務を受任するに際し、弁護士の報酬及びその他の費用について説明しなければならない。

・委任状の作成
弁護士は、法律事務を受任した時は、弁護士の報酬に関する事項を含む委任契約書を作成しなければならない。但し、法律相談、簡易な書面の作成、顧問契約など合理的な理由がある場合には例外的に作成しなくてもよい。

・情報の提供
弁護士は、弁護士の報酬に関する自己の情報を開示および提供するように努めなければならない。

参考:旧報酬規定はこちら

協議離婚時の弁護士費用相場:0〜5万円

夫婦のみの話し合いで離婚する場合なので、弁護士費用はかからず0円で済みます。離婚件数の約90%はこの協議離婚で決着すると言われています。

ただ、口頭のみで離婚してしまうと、後で慰謝料や財産分与の関係でトラブルとなる可能性もありますので、離婚の際は離婚協議書を作成し、公正証書にすることをオススメしています。

離婚調停時の弁護士費用相場:40万〜70万

協議離婚では解決が難しく、弁護士に離婚調停の交渉などを依頼した場合。

  • 着手金 20~30万円
  • 報酬金 20~40万円

離婚裁判時の弁護士費用相場:60万〜80万円

調停離婚でも話がまとまらなかった場合は裁判離婚が行われます。平均的な費用は、着手金40万円、報酬金40万円で合計80万円が相場となります。調停離婚の所で述べたように、報酬金は成功報酬であるため離婚が成立した条件によって金額が変動します。

依頼内容別の弁護士費用の成功報酬金相場

離婚成立時の成功報酬|10%前後

離婚すること自体の要求に対して、離婚が成立した場合に支払う費用。

親権獲得時の成功報酬|10万〜20万円

親権についての争いがある場合に、親権獲得が成功した場合の費用。

慰謝料獲得時の成功報酬|獲得金額に対して10%〜20%

慰謝料の獲得が成功した時に支払う費用。獲得分の10%〜20%が相場。

財産分与獲得時の成功報酬|得られた金額の約10%〜20%

夫婦の財産分与を請求していた場合に、獲得した分の数10%を支払うことになります。

養育費獲得時の成功報酬|養育費1年分に対しての10%前後

養育費の請求を行い、獲得、増額が出来た場合の費用。一般的にその金額は、上記の項目が依頼人の希望と比べてどの程度獲得されたかによって決定されます。

モラハラ・DVの成功報酬|10%前後

相手から金銭を受け取れないのがモラハラとDVです。そのため、弁護士事務所によってどう設定しているのか解りにくいという問題がありますので、詳しい見積もりは直接相談して、見積もりをもらうのが良いかと思います。

 

離婚の弁護士費用の内訳と弁護士費用の決まり方

次に、弁護士費用の内訳と弁護士費用の決まり方について見ていこうと思います。

弁護士費用に含まれるもの

相談料

弁護士との相談する際にかかる費用です。現状を弁護士に伝え、今後の離婚の手続きをどのように進めたら有利な結果を得られるかを相談するための費用です。

着手金

弁護士に依頼した際に発生する費用です。要は依頼料のことで、弁護士に依頼した結果思わぬ結果になったとしても、途中で解任したとしても支払うことになります。

成功報酬

事件終了時点で弁護士に支払う費用です。

日当

弁護士が事務所を離れて、相手方への交渉や裁判所しに行った際に発生する費用です。

実費

依頼を受けて、必要になった郵便代、通信費、交通費などを実費として支払います。

離婚時の弁護士費用は2段階ある

離婚の弁護士費用は、「 離婚そのものにかかる弁護士費用」と「慰謝料・財産分与・養育費・親権などの請求にかかる弁護士費用」というの2段階あります。

離婚そのものにかかる弁護士費用

例えば、弁護士費用の「着手金:30万円」「報酬金:30万円」で合計60万円の費用がかかった場合、これは離婚そのものに発生した弁護士費用となります。

この離婚が成立した際、例えば1000万円の慰謝料と財産分与を獲得できれば、その分、着手金と報酬金がプラスされていくのが、離婚弁護士費用の基本的な構造です。

事務所によっては着手金や報酬金が追加される弁護士事務所もありますが、 着手金は加算されずに報酬金が追加される弁護士事務所などもあり、大きく分けるとこの2タイプが主流と言っていいかもしれません。

慰謝料や財産分与などの請求にかかる弁護士費用

例えば、慰謝料などの獲得額に対する報酬金が、得られた慰謝料額の10%だとすると、離婚が成立し、慰謝料や財産分与として1000万円が得られた場合、その分の報酬金は1000万円×10%=100万円になります。

つまり、離婚そのものにかかる弁護士費用は、着手金が30万円なら、「報酬金:30万円+報酬金100万円」で、 合計130万円となります。このように、離婚弁護士費用の着手金:30万円、報酬金:30万円と思っていたら、 最後に130万円の報酬金の請求がきて驚くということが多々ありますので、弁護士費用の計算も2階建てであることを理解しておくとよいでしょう。

弁護士費用は依頼する弁護士によって変動する

弁護士に依頼した際の費用は法律事務所によって異なります。弁護士も人助けとはいえ、ビジネスであるとも言えます。離婚に対して弁護士のサポートが必要な場合は、自身の条件に合う弁護士を根気強く探しましょう。

経済的利益の額 着手金 報酬金
300万円以下の部分 8% 16%
300万円を超え 5% 10%
3,000万円以下の部分
3,000万円を超え 3% 6%
3億円以下の部分
3億円を超え部分 2% 4%

 

このように、弁護士費用は離婚の結果によって増減することがあります。事前にその条件を依頼する弁護士に確認しておくことを忘れないようにしましょう。価格やサポート内容など、他の法律事務所との差別化を図っていてもおかしくはありませんので、離婚に対して弁護士のサポートが必要な場合は、自身の条件に合う弁護士を根気強く探しましょう。

最近の相談料は無料のケースが多い

これまで弁護士の報酬を決めていた「(旧)日本弁護士連合会報酬等基準」では、相談料や着手金、報酬金は一律で決められていましたが、現在は弁護士の報酬は自由に決めて良い事になっています。競争が激しくなっている現在、相談料を無料に設定している弁護士も多いので、ぜひ活用していただければと思います。

 

離婚問題の解決を弁護士に依頼するメリットとデメリット

離婚問題を弁護士に依頼する必要は必ずしもありませんが、できれば相談、依頼されることを強くおすすめします。婚姻関係の事件で弁護士が代理人に付いていた割合は、「当事者の双方:19.5%、申立人のみ:22.7%、相手方のみ:4.8%」。平成16年はそれぞれ8.4%、13.0%、3.6%でした。

弁護士を代理人に付ける率が、10年間で21.4%から42.2%へと増加したことになります。また、弁護士に依頼するメリットとして次のようなものがあります。

弁護士に依頼するメリット

離婚調停が有利に進む

あなたの希望する条件で解決を目指す場合、調停委員にあなたの主張を正しく理解してもらい、共感してもらえるように話すことが必要です。

調停期間が短くなる

相手が離婚しない意志が強い場合でも、あなたの方が主張を論理的にかつポイントを押さえて説明してくれますので、調停委員の判断も迅速になり2回〜3回の調停で終わる可能性が高まります。

書類作成の手間が省ける

離婚調停に必要になる書類の作成も、弁護士に依頼すれば全てやってくれます。役所に書類を取りに行くのも一苦労ですので、この負担が減るのは重宝する場面です。

浮気現場を押さえたような証拠が手に入りやすい

浮気や不倫があった場合は事実を証明する証拠が必要になります。ホテルなどに入る瞬間などを収めた写真などを撮りたい場合など、弁護士に依頼することで証拠を集めやすくすることができます。

慰謝料の増額や獲得が容易

証拠があることで慰謝料の請求に確実性が増します。また、「いかに精神的苦痛が大きいか」を客観的に判断してくれますので、頼んでおいて損はないかと思います。

子供の親権や財産分与も獲得もしやすい

「どんなポイントが親権者となる者に必要か」「財産分与を獲得しやすい方法」の知識を弁護士は豊富に持っています。調停離婚で親権の権利者が問題となった場合、親権者となるべき判断ポイントを調停委員に伝えてくれます。

離婚の意思が固いことを示せる

あえて弁護士に依頼をしたということ自体で事件に対する強い意思を示すことができるでしょう。

弁護士に依頼するデメリットは費用が高いこと

冒頭でもご紹介しましたが、離婚問題の弁護士費用は少々お値段が高いことがデメリットかもしれません。慰謝料や財産分与の獲得ができれば、弁護士費用は対したことはないかもしれませんが、それでもできるだけ費用を抑えたいと言うのがほとんどの方の本音かと思います。

 

離婚の弁護士費用をできるだけ安く抑えるコツ

調停や裁判で勝った場合でも弁護士費用は自分で負担することになりますので、依頼者が弁護士費用を抑えるためにはちょっとした工夫をする必要があります。

弁護士の無料相談だけを利用する

有料相談料の場合は1時間1万円が相場ですので、その都度弁護士に相談しても1時間1万円ですみます。もし離婚調停になった場合でも、離婚調停は6回もあれば終わりますので、1万円×6回=6万円で収めることが可能です。

浮気や不倫の証拠を集めておく

浮気などの証拠が多いほど早期解決と増額が計れますし、あなたの望む結果に近付けます。ある程度の証拠があれば弁護士の日当も安く抑えられます。

法テラスを活用する

法テラスには弁護士費用立替制度があります。経済的に困っている方に対する法律相談援助、代理援助又は書類作成援助(裁判費用等の立替え・弁護士の紹介)ですので、ホームページよりお電話・メールでの問い合わせ、またはお近くの法テラス事務所(全国84ヶ所)へご相談してみてはどうでしょうか

 

離婚を得意とする弁護士の探し方と選ぶ基準

離婚問題を弁護士へ依頼するなら、離婚を得意とする弁護士を選びましょう。弁護士を探す際、まずは親族や友人が勧める弁護士がいないか相談してみましょう。

まずは紹介!紹介がなければネットで探す

紹介ならより丁寧な対応をしてくれることも多いですし何よりすでに知人が依頼したという安心感があります。もし知人に弁護士の知り合いがいないなら、日本弁護士連合会や法テラスが紹介している弁護士を紹介してもらう方法があります。

また、複数の法律事務所が掲載されているポータルサイトで離婚が得意で自宅から近い法律事務所を探すのも良いでしょう。

離婚問題に関する知識が豊富な弁護士を選ぶ

離婚は単に男女関係の清算というだけではなく、財産分与、慰謝料や年金分割、子供がいる場合には親権や養育費も問題になります。これらの様々な問題の全体を適切に処理できることは必須条件でしょう。

離婚事件の経験数が多いこと

事件処理の数というものも重要です。処理の見立て、事件の進行の方法、相談者にとって不利になる点とその対策等については、実際に多くの事件を処理し経験をしないと分からないものです。

 

まとめ

いかがでしたか?

弁護士費用は安くはありませんが、協議離婚で話がまとまらなかった場合は弁護士に依頼する必要があることをご理解いただけたと思います。もう一度、離婚問題を得意とする弁護士の選び方を確認して、後悔のない弁護士を選んで頂ければと思います。

  1. 離婚裁判の経験値
  2. 話しやすい相手かどうか
  3. 法律の意味や内容、解決策などの説明がわかりやすいか
  4. ネガティブな状況やリスクを指摘してくれるか

この4点を全て満たす弁護士を根気強く探していきましょう。

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ABOUTこの記事を監修した法律事務所

2016年1月に寺垣弁護士、佐藤弁護士の2名により設立。現在の在籍弁護士は14名(2018年1月時点)。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。