DVで離婚する際の慰謝料相場と慰謝料を増額請求する為の方法

配偶者のDV(家庭内暴力)で離婚する人は現在、第2位の離婚理由になっており、平成24年度における離婚件数は14,167件で、全体の15.1%に登ります。また、DVや暴力によって離婚した際、気になるのはDVによる慰謝料がいくらになるのかという部分かと思います。

DVで離婚した際の慰謝料の相場は、50万円から300万円の間と言われています。ですがこの時、とにかく離婚したいという気持ちが強くあるケースが多いため、DVの慰謝料請求を後回しにしてしまう場合があります。

しかし、DVが原因で離婚をする人には慰謝料を請求する権利がありますし、先に離婚をしてしますと慰謝料の増額が難しくなりますので、可能な限り離婚と同時に慰謝料を請求することを強くおすすめします。

そうは言っても、どうやってDVに対する慰謝料を獲得すれば良いのかわからない場合もあると思いますので、今回はDVが原因による離婚の慰謝料獲得方法と、増額させる方法をご紹介します。

 

DV離婚した場合の慰謝料の相場は50万から300万円

DVで離婚した場合の慰謝料金額の相場は、50万円〜300万円といわれていますが、慰謝料の相場は明確に決まっているわけではなく、夫婦間の話し合いによって、ある程度は自由に決めることが可能です。

つまり、極端な例を言うと、あなたがDVによって受けた精神的苦痛は700万円だと主張し、相手が納得すれば、その金額がDVによる慰謝料として認められることになります。

離婚をしない場合は慰謝料が大幅に減少する

離婚時に請求できる慰謝料には2つの種類が存在し、一般的に【慰謝料】と呼ばれるものは、この二つの合計金額の事とされています。よく私たちが考えているのは精神的苦痛に対する『離婚原因慰謝料』の方で、浮気や不貞行為、DVなどの暴力によって精神的かつ肉体的に苦痛を伴った場合に請求する慰謝料のことです。

一方、離婚させらた事自体に対する『離婚自体慰謝料』というものもあり、もしDVや不倫の事実があって、慰謝料を請求したとしても、そのことが原因でも離婚をしなかった場合、そこまで精神的な苦痛はなかったとして、慰謝料の額は大幅に減少する可能性があります。

DVがあった場合の法的責任は?

もし配偶者を殴ってケガをさせれば、いくら「ケガをさせるつもりはなかった」と言っても、故意で傷害となる結果が生じれば傷害罪になりますし、結果的に相手を死に追いやれば傷害致死罪の責任を問われます。仮にケガがない場合でも暴行罪の責任を問われる可能性があります。

DVによる離婚慰謝料をできるだけ増額請求するには

DVによる慰謝料の請求が可能となるのは、配偶者の暴力や言動によって肉体的・精神的な苦痛を受けた場合になります。また、身体的暴力のDVだけでなく、言葉による精神的な暴力(モラハラ0であっても、程度によっては慰謝料請求が可能です。

DVの慰謝料の相場を左右する要素

DVによって離婚した際の慰謝料請求をする場合、DVの慰謝料は以下のような要素によってその金額が増減されていくことになります。

DVの頻度や回数

DVの加害者が行ったDV回数や頻度が多ければ多いほど、慰謝料が高額となる可能性があります。

DVの期間が長いこと

DVの加害者がDVをしていた期間が長ければ長いほど、慰謝料が高額となる可能性があります。

DV被害者の落ち度

DVを受けていた被害者に落ち度がどの程度あったのか、その原因が少なければ少ないほど慰謝料が高額となる可能性があります。

DVによるケガや後遺障害の程度

DVの被害を受けたことで怪我や障害を受けた場合、そのケガの程度が重ければ重いほど、慰謝料が高額となる可能性があります

DVの被害でうつ病になった場合

DVの被害者がうつ病を患ったケースでは、精神的にあたえられた苦痛は極めて大きいとされて、DVの慰謝料は高額となる可能性があります。

DVによる離婚慰謝料を増額させるには証拠が必要

DVによる慰謝料を請求するためには、DVの被害を受けていたことがわかる証拠が必要不可欠になります。そのためには、DVがあったことを証明する以下のような証拠を用意しましょう。

  • DV でケガをした際の病院の診断書
  • DVでついたあざや傷の写真
  • DVの内容を具体的に記録している日記やメモ
  • DV被害について親や知人に助けを求めた内容の証言
  • 警察や公的機関へのDV相談の記録 など

DV慰謝料の相場を知っておく

相手が相場よりも極端に低い慰謝料しか支払わないと言おうとも、DVの場合はこのぐらいの相場になると知っておけば、低い慰謝料で納得することは減るでしょう。

弁護士に相談する

DVをしてくる相手であれば、慰謝料請求の要求どころか、離婚そのものの要求にも応じない可能性があり、慰謝料が請求できなくなってしまう可能性もあります。そこで、弁護士に交渉の代理を依頼することで、相手方の良いように言われて低い慰謝料で泣き寝入りする可能性が極端に減ります。

より高額の慰謝料を受け取るためにも、一人で悩まずに専門家に相談することで、慰謝料の増額できる可能性も大きくなるでしょう。
参考:DV(家庭内暴力)は弁護士相談して解決|DVが得意な弁護士を探す

 

DVに対する慰謝料請求の流れ

DVが原因で離婚することになった夫婦が慰謝料について検討する場合の流れは以下のような順番で行うといいでしょう。

1:まずは書面での協議

DVの被害に遭われている方が、まだ同居している可能性は低いと思いますので、慰謝料の請求は内容証明郵便などで行うのが良いでしょう。メールやLINEなどの履歴が残るやり取りでも良いのですが、間違いなく送ったことを証明できる内容証明郵便で慰謝料の交渉を行うのがおすすめです。

2:民事訴訟又は離婚調停

協議離婚でも慰謝料について話し合いが進まない場合であれば、民事訴訟を起こして慰謝料の請求をしていくことになりますが、離婚についての問題もあるので、離婚調停を申し立てる方が効率的かもしれません。離婚調停の申立書に慰謝料の請求金額を記載しておくとスムーズに進みます。

3:離婚裁判を行う

DVは法律に定められている離婚原因「その他、婚姻を継続しがたい重大な事由」として扱われますので、裁判所に対して離婚訴訟を起こし、離婚と慰謝料について解決できるように裁判をすすめていきます。

離婚裁判では、DVの証拠がかなり重要なものとして扱われますので、証拠を必ず用意して、あなたが慰謝料を受け取る権利があることを強く主張しましょう。

 

DV被害者が離婚円滑に進める為に知っておくべきこと

最後に、DVで慰謝料を請求するだけなく、離婚までをスムーズに進める為に知っておくべきことをご紹介していきます。

夫婦間で進めずに第三者を挟む

DV被害者が離婚の話を切り出す際、相手にまた暴力を振るわれるかもしれないという不安を抱えている場合も多いでしょう。ですが、今のままでは解決する事はできませんので、勇気をもって離婚に踏み出すか、専門家に相談するなど、第三者を交えて話し合いをするのが一番効果的です。

保護命令を申立てる

保護命令とは、裁判所が相手方に申立てした事柄に対して、近寄らないように命令できる制度のことで、接近禁止令(6ヶ月間接触禁止)、退去命令(同居の解消)などがあります。条件が整えば「子どもへの接近禁止」「電話の禁止」「親族への接近禁止」なども命令することができます。

 

万が一DVの慰謝料が支払われない場合の対策

離婚調停や離婚裁判で決定され、相手も慰謝料の支払いに同意したのにもかかわらず、支払ってもらえない場合には以下のような手段を取りましょう。

履行勧告・履行命令

離婚調停や審判または離婚裁判の判決で慰謝料の支払いが決定している場合、支払者に催促をしてもらう履行勧告ができます。履行勧告をしても返事がない場合は履行命令を裁判所が発令します。

もし、慰謝料を支払えるだけのお金を持っているのに、正当な理由がなく履行命令を無視していると相手は10万円以下の過料(罰金)を科せられます。

強制執行

支払いを拒否し続ける相手に取れる最終手段は、相手方への強制執行です。

  • ◇給与・賞与
  • ◇預貯金
  • ◇事業の売上等(相手が自営業者の場合)
  • ◇不動産や土地
  • ◇自家用車や高価な家具

強制執行を行うことで、相手方の財産や収入を差し押さえて慰謝料を回収することが可能となります。強制執行は強力な制度ですので、利用するためには差し押さえを行うものが相手の財産を差し押さえる権利を持っていることを証明しなければなりません。

その証明のために「裁判所による判決書」「和解調書や調停調書」など書類が必要となりますから、これらの書類があることで相手から慰謝料を受け取る権利があることを証明することができるのです。

 

まとめ

DVが原因の慰謝料を獲得するには、証拠を集めて強い意思で交渉していくことが大事です。もし、DVを受けてしまったのに相手に泣き寝入りするのではなく、慰謝料請求は当然の権利であると主張していくことをオススメします。

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ABOUTこの記事を監修した法律事務所

2016年1月に寺垣弁護士、佐藤弁護士の2名により設立。現在の在籍弁護士は14名(2018年1月時点)。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。